5月参禅会

5/10は12名で参禅会を行いました。今回の法話は、(ありのまま)について話しました。

 道元禅師は若い時に天台宗の比叡山で修行されたのですが、そこで、(本来本法性天然自性心)という教えに疑問をいだきました。これは全ての人は元来仏であるという意味ですが、なぜ、元来仏なのに修行をしなければならないのかという疑問に納得できずにいました。そこで中国に正師を探しに渡来し、この疑問を如浄禅師の下で解決されました。

 同様の教えに(ありのままで良い)というお示しがありますが、これは、一般的に使うこのまま、ありのままという意味ではありません。そのように解釈しますと、欲望のままで良い、何をしても良いという事にもなります。自我や欲望を主としたありのままという事ではないという事です。例えば容姿に悩んでいる人が整形をするかどうか迷っている時に、ありのままで良いと言われても全く納得がいかないと思います。その人の選択肢は、整形をして気に入った容姿になるのか、このままで劣等感を持ちながら我慢するか悩んでいるのであって、自我を主としたこのまま、ありのままと、仏教で説くありのままは意味が全く違います。

 

 仏教で説くありのままで良いとは、常に事実はその時々の様相であって、その様相に自分の思いを付けることで、様々な悩み苦しみが生じます。思いを付けなければ、全てはこのまま、ありのままで生じて消えていくという事を自覚することです。