4/4は、雨の中9名の参禅がありました。仏教は、喜怒哀楽をなるべく抑える教えなのか?という質問がありましたので、記します。
仏教は、感情を無理に抑え込むというような教えではありません。私たちの感情は、常に変化し続けて、捕まえることができないという事を実感すると、喜怒哀楽を純粋に味わうことができるという事です。
例えば、大切な人を亡くした事実に対して、つらく悲しい思いが起こるのは、亡き人を思い出している時だけです。その思いが自然に沸き起こってきたのであれば、無理に抑える必要はありません。泣きたいときは思いきり泣くことです。しかし、私たちは、このつらい思いから救われたい、逃れたいと思いますが、心が一日中同じ気持ちであることはありません。心は無常であるので、いつか悲しみは癒されます。
逆に、自分の目標が達成できた、願いが叶った時のように、感情が高ぶっている時には、この感情から逃れたいというより、いつまでもこの感動に浸っていたいと願うのが人情ではないかと思います。希望の大学に合格した時は胸が熱くなっていても、しばらく時が過ぎると、その感動は、つらい気持ちと同様にいつかは静まりかえります。
自分に都合の悪いことも、都合の良いことも、このように、心や身体は常に変わり続けると本当に理解して、感情豊かに生きることが仏教の主旨です。
坐禅も同様に、心の働きを抑え込むのではなく、心の働きを明らめることです。縁に触れて心が動いても、その跡形は残らずに消えていきます。目や耳の働きも、跡を残さないから、事実を正しく映し、聞くことができるのです。次回は5/10の午後4時から予定です。