9月参禅会

 

9/6に参禅者11名で修行しました。今回は、坐禅中の思いと日常生活との関係についてお話ししました。

坐禅は姿勢を固定し体を動かさないので、日常生活以上に、頭が働き、思いが次々と出てきます。何かの思いが出てきたら、それに気付けば、その思いは一度途切れます。しかし、その思いが、日常生活で常に気になっている事であれば、なかなか途切れることはなく、気付くこともなく思いに浸ってしまいがちです。思いに浸ってしまうと坐禅になりません。

昨年、知人が株で大損をしているので相場の見解を聞かせてほしいと訪ねてきました。株の事で頭がいっぱいで夜も眠れないというので、坐禅をしてもらいました。本人は株の見解を聞きたい状況で、厭々坐禅をした後に感想を聞いたところ、株と金の事ばかりが浮かんできて何の解決にもならなかったと言いました。そこで、日常生活を改める良いきっかけではないかと話し、自分の努力で改善出来る事と、どうにもならない事を明らかにする事が大切だと話しました。努力で改善出来る事は、失敗の原因追及、心を病まない程度に投資額を縮小するなどの提案、努力で改善できない事は損失してしまった事実、相場は自分の都合の良いようには動かない事実をよく理解するなど、いくつか提案しました。

 

日常で気にかかっていることが多く、苦痛であるなら、それは坐禅中に顕著になります。自分の努力で可能なことは改善し、済んでしまった事や、努力でどうにもならないことは全てお任せする覚悟は必要だと思います。努力でどうにもならない事は、実は悩みや苦しみには該当しないのです。これを自覚するのが大切なことです。